スタッフ日記
正しい座り方、正座
院長です
先日患者さんで体操座りをしていたら腰が痛くなった
といった訴えの患者さんがいました
この子は中学生の子なんですが
背中が極端に前屈状態で
極端に前屈のひどい部分の筋肉も緊張していました
こんな体を診ていると
僕も学生の時に体操座りでお尻が痛かった事を思い出します
体操座りでクラスごとに並んで……
よくある集会とかの風景です
その時は この座り方に対して特別な考えはありません
まぁ、当然です 専門の勉強なんぞするはずもありませんから…
今の僕から言わせてもらうと その座り方
かなーり 腰に負担をかけた座り方です
理由は2つ
腰を屈めた状態で座る事で腰に不自然なカーブがつく事
(それに伴った周辺の筋肉、靭帯とかの影響も含みます)
尾骨や骨盤を不自然な形で圧迫する事で骨盤周囲の病変に繋がる事
戦後などに比べ、小児に変形性の病変が多い理由の1つに
こういった座り方の変化によるものがあると報告された文献があります
まぁ、昔は正座するのが当たり前で
今のような体操座りをするような場面なんて無かったでしょうが……
個人的な意見としては 正座は腰のカーブや尾骨・骨盤に対する
直接的な圧迫がありませんから
比較的腰には優しい座り方だと思います
(まぁ、膝に障害を抱えている人にとっては 正座はNGですが…)
そんな正座ですが 今のご時勢では「懲罰的な意味」も内包する事も手伝って
学校では なかなかお目にかかれないものとなってしましました
先生が「おい、正座しろ」なんて言うと
今からお叱りを受けるんだと認識してしまうほどです
僕自身は昔から柔道をやっていましたから
正座というものは 礼を重んじる場で相手への敬意や
自分の謙虚な態度などを表す重大なものだと思っていましたが
懲罰的な意味ばかり目立つのも どこか寂しい思いです
この大きな流れは 僕が声を荒立てて訴え掛けたところで変わらないでしょう
少なくとも 僕が手掛けられる患者さんを少しでも苦の無い生活をさせてやりたい
そう思いながら
圧倒的なベクトルで流れる風潮を目を細くして見ている といった感じです
(もともと目は細くて 能面のような顔をしていますが…)
崩れゆく南極の氷山を見守るような心境に似ています
ちょっと大袈裟だったでしょうか