追突による応力を受けた側に頭痛や眼圧亢進、顔面知覚異常などの、上位頚椎性不定愁訴が出現する。
これは追突の外力そのものが身体にカンナの刃を出す際にカナヅチで叩いた時のような効果を引き起こして第一頚椎が変位し、その側方に変位した側の椎骨脳底動脈管系(後頭部に分布する血管です)を牽引して血流を阻害、頚椎管も変位側に牽引されて障害を受ける事によります。
追突応力側を受けた逆側には肩こりや腕の脱力感、知覚異常、痺れなどの神経症状を起こします。これは衝撃を受けた逆側に発生するもので、椎間板内の髄核や第一肋骨が支点となって神経や脈管系が引き抜かれるような作用によるものです。(鉛筆を折ると、力を加えた側とは逆の部分が裂けるように割れますよね…あんな感じです。頚椎と胸椎の境界で起こる場合が一般的です)
このように、むちうちによる外傷ひとつだけ取り上げても筋肉はもちろん、神経や血管までも損傷をきたす症例は、程度の差こそあるものの交通事故による損傷症例のほぼ全部に見られる事から、早期からの適切な検査やそれに合った施術がとても重要なものになってきます。身体は車と違って部品を変えれば済むものではありません。
だからこそ早期に施術、管理、生活指導も含めた適切な処置をしてやる必要があると考えます。